事物にもある心の目

アルゴリズムの画像 日々の気づき

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「そろそろ、PCをリプレースする時期になりましたので、こちらの資料に目を通して必要事項を返信してください」

総務からきたこの一本のメールに、複雑な気持ちが交錯する。新しいPCに取り換えてもらえるわくわく感と、苦楽を共にしてきたPCに対する感謝の念、そして今も私の身体の一部の様に働いてくれているのに御用済みにしてしまう罪悪感と……。

私が勤めていた会社は、4~5年ごとにPCをリプレース(交換)していた。そして、この時期になると必ずと言っていいほど不思議なことが起こる。実際、リプレース日が具体的に決まり、その日が迫ってくると今まで使っていたPCに誤作動が起こり始めるのだ。

PCがなかなか起動しない。
途中でフリーズする。
今まで数分で終わっていた処理に数時間かかる。

そして、毎回思う。
「あ……、またこの現象。このPCは自分の役目を終えることを知っているかのよう……」

この経験をするたびに、私は事物にも心の目があるに違いないと確信する。

私は、顧客満足度調査などを実施、集計するアンケート調査会社で長年働いていました。集計や解析を担当する部門で毎日多くの調査の集計作業を担当し、5~6本の調査を同時並行で集計することも多くありました。

5問程度のシンプルな調査から、問題数が多く、かつ構成が複雑なものまで、様々な個性をもつたくさんの調査の集計作業に埋没する日々。

新入社員が初めて担当する事ができるようなシンプルな調査の集計と、複雑な集計作業を伴う調査を同時に担当していれば、どうしたって手がかかる複雑な調査の方に意識は集中します。

そうなると、また不思議なことが起こるのです。
30分もあれば終わるはずのシンプルな調査の集計が、なぜか暴れ出す!

「外注先から納品されたデータが間違っていました。新しいデータに差し替えをしてもう一度集計をお願いします!」

「そもそも質問が間違っていました。クライアントから依頼されているデータがとれないので、データ変換をして再集計をお願いします!」

「データが一部抜けていたので、これからお送りするデータとつなぎ合わせてから再度集計をお願いします!」

これ以上ないほどのシンプルな調査にトラブルが相次ぎ、集計時間はかさばるばかり……。

「なんで……」
「作業計画が根底から狂う……」

想定外すぎて、私の頭がフリーズ状態。簡単な集計だと鷹をくくり、片手間に集計作業をしていると起こるこの現象。1度や2度ではありませんでした。

一方で、どんな調査でも誠心誠意、心を込めて集計作業をするとシンプルだろうが複雑だろうがびっくりするほどスムーズに終わるのです。

そして、やっぱり事物にも心の目があると確信するのです。

これらの現象がずっと不思議だった私は、ひょんな出会いから、日本文明の可能性を27年間語り続けている、21世紀の悟り人 令和哲学者のNohJesuさんに「事物にも心の目があるのでしょうか?」と質問をする機会を得ました。

答えは、「そうだね。点ひとつが分かればすべて分かるよ。すべては点だからね」

その謎の答えに、私の頭の中はたくさんの「?」が溢れました。しかし、謎が多すぎてその場で再度質問することができませんでした。

しかし今の時代、人間同士だけではなく、モノともなにか通じ合っていると感じる方も多いのではないでしょうか。

今、私はその先生と仕事をする中で思うことがあります。人間は、例えばAさん、Bさん、スマホ、太陽、雲、日本、地球など、名前をつけて自分と他を分けて認識しますが、もし原子としてしか認識できない目を持っていたとしたら、私もAさんも原子の塊でしかなくなり、境界線はぼやける、いや無くなってしまいます。量子としてしか認識できない目を持っていたらまた全く違う世界が拡がるでしょう。人間が思うこの境界線のある世界は、あくまでも人間特有の独特な世界観だと。

もしかして、今まで当たり前に思っていた世界は、実は当たり前ではないのではないかと。

2050年には環境破壊が進み人間が地球に住めなくなるといわれています。もしそれが回避できたとしても、終わらない戦争や紛争、テクノロジーの急激な発展によるAIの台頭、それによる生命倫理の問題などが取り沙汰されています。様々な意見があるにせよ、今まで人間が経験したことがない問題が山積している事は間違いありません。

前代未聞の問題を解決するには、今までの「当たり前」を疑うことから始まるのではないかと思うのです。今から500年前の宇宙観である天動説(地球が宇宙の中心で、太陽や月が地球の周りを回っている)から、地動説(地球が太陽の周りを回っている)に認識の枠組みが大きく変化したように。

そう遠くない未来に、人間なのかAIなのか区別がつかなくなる日が来ると考えるとちょっとぞっとします。でも人間には人間にしかできないことがある。AIには絶対できない使命が、人間にはあると私は確信しています。

なぜならば、この人間特有の世界を創り出しているのが人間ならば、それを溶かし再創造することができるのは人間でしかないからです。

人間のクリエイティブ能力が圧倒的に花開くのはこれからだと感じて今日この頃。

危機はチャンス。人間がアップグレードする使命をAIは与えてくれていると思うのです。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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